偶然にも凹面鏡に映りゐる舞妓さん逆さにて一層はなやぐ
君知るやハワイが爪の伸ぶるほどの速さで日本へ近づきゐるを
晩春の庭木に寄りくる雀、鵯(ひよ)、時には名も知らぬ鳥も交じりて
さまざまなる思念の束の流れゆき気付けば庭に初夏の陽さんさん
奈良県がかくも深々と紀伊半島に食ひ入りゐるとはわれ知らざりき
とどろきて我が脳髄を駆け巡る思想あり冷静に走らしめつつ
吾が妻の買ひためしリンゴの日々減るは当然なれどなぜか寂しき
生ゴミの袋を破りカラスらが食ひ物あさるあさましくもあはれ
騒ぎつつ雀ら遊ぶ安らぎに心を裁ちて短歌を詠むも
木漏れ陽に特別の感情を抱く文化、西洋にはなしとあるアメリカ人