夜の明けより蒼さ極まる秋の空、その下に住む数なき命
ナツスミレ、センニチコウなど秋の陽にかがやき小鳥らも声はりあげて
やうやくに秋らしき涼風ふきわたり息深く吸ふ 今宵は名月
劇中の人らの幸と演じゐる俳優たちの幸も祈りぬ
寄り添うて二羽のカラスが嘴(くちばし)を触れ合ふ仕草は人間に似る
夜どほしを鳴きゐし虫の昼までも鳴くこのエネルギーはいかに生(あ)るるや
秋晴れのお彼岸に人ら来る墓地に妻・娘(こ)は草とり吾は卒塔婆を置く
餌どきと裏庭の木に集まれる雀ら俄雷雨に大混乱せる
なぜなのか清少納言は筆名で本名はつひに分らずと言へり
普及せる盆踊りの発祥は一遍上人の「念佛踊り」といふはまことか