この朝が終(つ)ひの熊蝉かこれまでよりその声ややに弱く聞こゆる
「蝉」もまた減りしの声あれど狭庭(さには)の木にさへ来て鳴く例年になく
歩みつつ熊蝉の声絶えしかと寂しむ刹那どどーと湧きぬ
漢詩とは古典の類ひと思ひきて現代漢詩の多きにおどろく
活き活きと鳴きゐし熊蝉ら二日ほどの降雨に止みしが再び鳴きしきる
クマゼミの盛んに鳴きて平和なりされど戦時も同じく鳴きけむ
空振りが最もうれしい事もある。たとえば災害の避難訓練など
この夏は例年になくクマゼミの多く盛んに鳴きてうれしも
ありなしのかぼそき雨を顔面に受けつつ散策 楽しかりけり