島の数一万五千ちかくといふ日本もまんざら狭くはあらずか
冷たくて思はずかざす掌(て)あたたかし点けしつもりの電気ストーブ
たまさかに隣家の屋根を走りゐる番(つがひ)のジョウビタキに思はず声掛く
電線が多すぎるなどと嘆くまい 雀・椋鳥(むく)・鳩・鴉などとまりては鳴くよ
遠山の雪溶けたりと見つつゐて人らの春恋ふ息遣ひ聞く
ヒヨドリが奇声発して上下に飛び他の一羽とともに光に紛る
俊足の‘時’にしばしば追ひつかずカレンダー捲るさへ遅れがちなり
折角の快晴なれどパトカーががんがん濁して走りゆくなり
電子器機が妙なる音楽を聴かせ呉る。薦めし妻に感謝をせねば
裏庭にてチチチと吾を呼ぶ雀子ら口笛にて応へ遊ぶもたのし