気付かぬ間にセイダカアワダチソウがベランダの隅に直(すぐ)立つ やをら抜きたりあ
その初め暑かりし五月も終はりにていよいよ雨そして猛暑の季節へ
黐の木にあまた雀が鳴き合ふに姿は見えぬ不思議なりけり
新しく盛られし土の小山に早や雑草が生(は)ゆ、その生命力よ
雨あとの水溜まりに雀ら集ひきてさかんに水浴びしてゐる平和
近空の雲の上ゆくジェット機の音みだるるは雲の乱れか
叫びつつ野鳥の幾羽が乱れ飛ぶ雲が白蛇のごとく動きて
じわじわと雨の運気が圧し下げて耐へられぬのかやがて降り始む
野生とはかなしきものよ日々にして餌やれどスズメらとんと懐(なつ)かぬ
人生で世に言ふ働き盛りの時期がざつくり記憶から抜け落ちてゐる