遅れゐる梅雨(つゆ)にてはやくも真夏日の暑さなりこのまま猛暑に入るか
祠解体で半月野ざらしの地蔵尊やうやく祠に戻られにけり
たまさかに家前の木に雀二羽加へて四十雀(シジュウカラ)も飛びきて賑はふ
低空を自衛隊の輸送機が航(ゆ)くときは音も重たく墜落しさう
風呂場にて: 「水玉がゆるい斜面を流れゆく長く伸びつつやがてちぎれて」(あおぎり)
かつて戦争に消耗させゐしエネルギーを今はスポーツにそそぎゐてよろし
気付かぬ間にセイダカアワダチソウがベランダの隅に直(すぐ)立つ やをら抜きたりあ
その初め暑かりし五月も終はりにていよいよ雨そして猛暑の季節へ
黐の木にあまた雀が鳴き合ふに姿は見えぬ不思議なりけり
新しく盛られし土の小山に早や雑草が生(は)ゆ、その生命力よ