不特定の出詠者より成る歌集になるほど「鈴木」姓の人の多しも
冷える朝もアンテナの先にとまっていてカラスはこごえて死なないのだろうか
落語家の談志の死をばあるニュース「だんしがしんだ」と回文で報じき
戦乱の絶えざる世界を憂ひつつ平和日本をことほぐは罪か
天気予報聞くとき予報士が天候を操りゐるかと錯覚することある
朝まだき無限の彼方より聞こえくる美音あるなり脳髄洗はる
ある時は思考がループにはまるなり大声発して抜け出さむとす
バリバリとさつまいもチップスを噛み砕くポテトチップスに似ざる食感だ
やはりまだ出すべきなのだろう年賀状、「まだ生きている」の証(あかし)としても
枯葉ひとつ落ちんとして枝にひらひらす撮らむとするにいまだ落ちざる