彼も君もあなたも僕もみんな生きている。同時人だ、ばんざい!
あきらめず電子装置に呼びかくる妻の声する「テレビを消して!」
ウクライナやガザの惨禍も茫茫たり日はさんさんと地表に遍満す
何をやつても稚戯に過ぎずとふ声のして心よろめく時期のありたり
おびただしき数の鴉らが夕空におらび合ひつつ乱舞しやまず
あらためて思ふはご先祖の一人でも欠くれば自分は存在せざる
ついうっかり「令和5年」と書いてしまう。この癖いつまでつづくのだろう
昇り龍いづるかと思はず息を呑む年の始めの日の出なりけり
いづくにも女と男が居ることの安堵感あり。その当たり前
生誕地に住みしはその後に比ぶれば僅かなれどもむやみに想はる