百鳥(ももとり)鳴く木曽川べりに咲きさかるあまた水仙に妻喜べり
ふいに聞くこの唱歌ああなつかしや、体しびれてしばし動けず
さまざまな想念のはて現実に戻りて十指の爪の伸びに気付く
くらげさへ眠ると聞けど睡眠の機序の本質はいまだに不明ぞ
おびただしき数のカラスが夕空に渦巻き乱舞す絶叫しながら
朝夕にビル屋上の縁(へり)にカラスら身を接しつつびつしり並ぶ
建設音うれしかるべし吾が聴けるクラシック・ピアノの美音は嘆けど
高齢化がスピードアップって年取るのが速くなってるってことじゃないんだね
器機鳴らす音曲と外の工事音が重なり‘大寒’もおだやかならず
彼も君もあなたも僕もみんな生きている。同時人だ、ばんざい!