三月十日、遠山に冠雪あることの珍しく空は晴れて絶景なり
窓開けて吹き込む朝の風つよし冷たくはあれど春の風なり
道の端(みちのは)の小草(をぐさ)さへ日の影つくりをり何にもまさる存在の証(あかし)
しつとりと春雨ふりて新築の瓦屋根をば黒々と濡らす
気付かずに近くを通り過ぎたるらし激しき羽音たて鵯(ひよ)飛び立ちぬ
言ひてみて‘センテネリアン’こころよし。すこやかな人は皆そを目指す
定時に遣る餌に寄りくるスズメらの数ふえてきてこの賑やかさ
この街にしては大きな役所ビル、屋上角に赤き灯ともす
睡眠はなべての動物に必須なるもその本質はいまだ不明とぞ
風強きときは鴉型の凧おどる鴉多き街のカラス脅しなり