明けゆくや胸の深部をなかしめてちちろちろちろ小鳥ら鳴くも
秋風にブラインドが揺れて音を立つその間(あひ)を縫ひ虫の音もれ来
朝朝にあれほど騒ぎゐしスズメらがこのごろほとんど見掛けず不穏なり
ひさびさに木曽川べりに妻と来て赤を連ぬる曼珠沙華めづ
最速で“大の里”が大関へ昇進す。やがて大横綱にならむ風格
夜に鳴き朝また昼も鳴きつづくるコオロギが居る。その体力無限?
カラスもまた高きを好むや屋上のさらに手摺りの上にて鳴くも
テレビにて「残暑38度」などと聞くたびに「何が残暑だ、真の暑さだ!」と
スズメらよ何ゆゑ警戒しつつ寄りくるやベランダには水あり餌もあるぞ
なにゆゑか雀の数がめつきり減り裏庭の木にさへ来なくなりたり