「異常気象が常態化してそのうちに四季が夏・冬の二季になるとも」(あおぎり)
地震のない日々かさねきて震度3にあわてる我に妻は「何?」だって
朝風に葉群そよげりその中に激しく躍るひと葉ありけり
人類の夢のエネルギー源たる核融合炉発電の実現を切に祈るも
雀らは巧みに葉陰に隠れゐて餌やればどつと出でくるをかし
不思議なりされどほほゑまし屋根にゐる鳥も空ゆくも二羽づつにして
たずねられ答へしあとでグーグルにて確かめてゐる妻を憎めず
ドラマなれどその主人公と演じゐる俳優の幸せを祈りつつ観る
道よぎる白猫(はくみやう)を追ひて苦笑ひ空しきことを他人(ひと)も我もす
ガス会社の白き塔見え日の出どきは朱に染まりゐて燃ゆるがごとし