そつぽ向く二つの花が開ききりしアマリリスなり仲良く写しやる
さ緑に変はりし花水木の根方占めあまたの紫蘭が色彩を添ふ
しらじらと輝きゐたる花水木 今さ緑にただよひてあり
しろじろと雨にもかがやく満開の花水木なり永久(とは)にと思ふ
まつぶさに観るアマリリス一茎が球根よりそだちゆくさま魔術のごときを
ごく薄きみどりを刷けるやうに見ゆ萌え急ぐ家前の花水木一樹
日を追ひて花水木の芽がふくらみゆく。葉を繁らせて花咲くをまつ
紅白のバラまた椿が咲く隣に雪柳しろじろと風になびける
婦唱夫随に出できて寺院や木曽川に桜の木ごとの開花の遅速知る
弥生なかば花穂(くわすい)をなしてムスカリが二茎がほどに咲きてうれしも