また二本紫陽花の木が枯死したり寿命とは言へ盛時なつかし
いづくより種とび来しかひめじょおん 四、五本がほど黄の玉に咲く
能ふ限り多(さは)に紅白の薔薇咲(ひら)く低き小柄な樹体にあふれ
白く照りオーニソガラムサンダルシーゆらりと立ちて今さかりなり
球根を分けて各所に妻が植ゑしオーニソガラムサンダルシー咲く
紫のアヤメ四、五本咲きゐしに今朝は黄の花二本が加はる 数年前二階の張出しに根付きたる紫アヤメ今年も数輪
白じろと花の照りゐし花水木 今さ緑に若葉満開
はやばやと花水木の苞散り敷きて路面の白き斑(ふ)桜と見紛ふ
ほんのりとたまゆら朱(あか)きを見たりけりおぼろの朝焼け受くる花水木(みづき)の
朝昼夕(あさひるゆふ)位置を変へつつ金木犀照り葉さまざまに日を砕き止まず