「幾筋もの帯状の雲たなびきて夕焼け小焼けカラスら帰巣す」
「ぷかりぷかりと綿雲うかび日没のすすむに従ひ白から朱色へ」
「日の没(い)りて山の稜線を際立たせ余情の茜が戦火のごとし 」
「起き出でて歩道橋より見る 昇る日とそに焼かれゐる股下の車列」
「起き出でて四方(よも)見回せばあかあかと朝焼け空が市街覆へる」
「金色(こんじき)の光を放ち日が没(い)りゆく。「地球が自転してるんだ」と言ふは痴(をこ)なり」
「宵闇の空深くして白雲のいと近く浮く 手に捕らへむか」
落ちゆくと見えて昇れる雲もありて上空の気流は春のきまぐれ
外光はすりガラス越しにも輝いて物・人なべて既に春なり
いかに異形に見ゆるとしても山脈は必然の形に波打ち聳ゆ