幻聴: 轟きて宇宙の果に鳴る神のあとに続ける声のか細さ
わづか四肢の絡まる思ひ時にあるクラゲの多く長き触手よ
『生れつきの‘悪’(わる)は居ない』と思ひこしがその信念の揺らぐこのごろ
ゆゑ知らず朦朧とせる時の間を振り払はむとして空しさ波なす
唐突に或る思念過ぐそののちは人間世界の悲しさの満つ
眺めゐる壁にゆがむ顔など浮き出でてパレイドリア効果の謎を思へる
夢ならば千里の里も昔日も目前(まさか)に現る これぞタイムスリップ
さまざまに思ひはあれど自(し)が事に関はる限り小さしちひさし
遅遅として花水木咲かぬと見る日こそ身の裡深く疲れありけれ
この歳でいかがかと思へど精神は「大死一番乾坤新たなり」