真夜中に豪雨の音にて目が覚めぬ外の地獄は夢の続きか
今の世になほ攪乱のあらばあれこの身しづかに清浄に保たむ
あきらめぬ いかに頑張り努力しても人間の能力以上は叶はぬ
にはかにも冷ゆる朝にも雀らは元気に集(すだ)く この平凡よし
滔々ととうとうと流るる‘時の川’溺れまいとて懸命に泳ぐ
人類もいづれは滅する思へればその旺(さか)んなる今に在る幸よ
世に無明はびこる現実を悲しめど吾が裡にもあるをつとに寂しむ
幻聴: 轟きて宇宙の果に鳴る神のあとに続ける声のか細さ
わづか四肢の絡まる思ひ時にあるクラゲの多く長き触手よ
『生れつきの‘悪’(わる)は居ない』と思ひこしがその信念の揺らぐこのごろ