台風の余燼の風に生まれては流るる夕雲の色彩変化(へんげ)
東から西の果てまで見渡すに雲一つなし 宇宙は平和か
九月初旬 空にはいまも夏雲の大団子いくつも並びかがやく
雲塊がいくつもぷかりぷかり浮く一つでもいい煌めきてあれ
梅雨曇りの天の一部ゆ空のぞく何とまあ素晴らしい‘青’であることよ
しら雲の空一面に覆ひゐしがいつしか一点の曇りなき穹
ふり仰げば細く鋭く曲がる月 二日と思ひしが五日の月なりき
見しことなき細くて大いなる虹がたつ市や町いくつも優(いう)に跨ぎて
ほつれゆく綿菓子のやうな流雲をカメラに追へば童心還る
今ごろは皆既月食が浮かびゐむと曇る夜空を恨むでもなく