逝き逝きて両親きやうだい九人のうち長姉と我のみ生き残りゐる
弟は死の床にゐて兄われに会ひたがりしと。知らずくやしも
わが歌のうつかり誤字など指摘する妻はたのもしサイト管理も
ネットでは理不尽な侵入もあるなれど頼もしや妻が早々に解決
親含め九人が二人に減りてけふ姉を老健に見舞へり妻と
紅葉(もみぢ)映え人工滝ある公園は鴨あまた遊び妻よろこばす
(新仮名): こまごまと物持つゆえの物忘れあれ忘れこれ忘れ妻の特技に
この日ごろ帯状疱疹に苦しめば妻の存在がいよいよ輝く
とことこと階下で妻の動く音 これほど我を安堵させるものなし
砂粒のやうなる野の花に夢中になり接写してゐる妻の愛しさ