写生歌
短歌を始めて作ろうとすると、まず今日見てきた綺麗な景色やお花のことなどを歌にしたくなりますね。そんな写生歌の作歌のポイントは?
写生するにはそれなりの動機があるわけです。つまりその情景になんらかの理由で感動し、短歌の形にしてそれを読者に伝えたいという動機があるわけですから、動機の質と、短歌に詠みこむ時の工夫で、単に写生と見える短歌にも読者は十分感動を覚えるものです。それがかってのアララギの人たちが主張した「写生歌」ですね。物を生き生きと写して、もってその背景にある情感なり感動を伝える、という極意です。
「川辺利に釣糸垂れて居眠りの父の魚篭には陽が射すばかり」(酔狂さん2002年7月10日)
改作(梧桐):
「釣糸を垂らして居眠りする父の耳洗ひつつ清流ひびく」(酔狂)
あるいは、
「居眠りする父の釣糸風に揺れ小道具むなしく春の陽を吸ふ」(酔狂)