理屈っぽくならないように
「マンションに雨戸がないから眩しくて年に一度の早起きしたわ」(桐子さん2001/07/10)
「マンションに雨戸がないから眩しくて・・・」という言い方、わざわざ眩しい理由を、つまし理屈を述べていますね。こういう理屈っぽい語の斡旋は避けたいものです。短歌は理屈を述べるものではないからです。
また、雨戸がないのは常時ですから、雨戸がないという理由で、どうして年に一度の早起きをしたのか、と読者は不思議に思うでしょう。すなわち、詠みたいことが十分整理されていないということです。
口語短歌はどうしても軽くススーと流れてしまうので、印象・余韻も軽くなり勝ちで、どう起伏を付けるかが苦労するところです。勿論、その前に歌材の選択という、もっと大事なことがありますが。
とにかく、与えられた素材でやってみましょう。
改作:
「朝焼けの光が窓にきらきらしていつもより早く起きて拝んだ」 (桐子)
今は雨戸がない家が多いですね。その代わりブラインドがある。ブラインドを降ろし忘れたのですかね。それなら・・・
改作-2:
「ブラインド降ろし忘れた明くる朝窓の光でもう目が覚めた」 (桐子)