主格の「が」と「の」
「鉢底に小さきトカゲが潜みゐし木枯らし1号の吹きし真昼に」 (mukugeさん2003年10月27日)
この秋一番風が強かった日のこと、庭隅の鉢底にまだ生まれたてのような小さなトカゲの子が蹲っていました。親とはぐれたのか、この冬を無事に越せるのか、心配です。日だまりの土に下ろしてやりました。
「トカゲが」を「の」にしていましたが「1号の」と重なるので「が」にしたのですが、「が」と「の」の使い分けがよく判りません。
もう木枯らし1号が吹きましたか?知らずにいました。時期的にはそんなものなのでしょうけれど。
所有格を表す「の」の使い方に問題が生じることは少ないから、主格の「の」のことですね。主格の「が」に相当しますが。「の」か「が」か、主には語感から決めるところですね。また、主格の「の」と解かり難いことがあり、そうした時も「が」としますね。大勢として、(主格だとはっきりさせるために)「が」が多くなっています。この歌のように2箇所に出てくるような場合はどちらかを「の」とする、それはいいですね。ただ、「が」は音感的にあまりよくないこともあり、「の」として柔らか味を出すのもいいですね。口語ではほぼ例外なく「が」です。「の」を使うとしたら定型句の中くらいでしょう。
添削:
「鉢の底に小トカゲ一匹潜みゐき木枯らし一号の吹きし真昼に」(mukugeさん)