もう少し具体的な表現で
「瞬きをするのも惜しい夕焼けにスズメの大群右へ左へ」(民子)
雨上がりの素敵な夕焼けに見惚れていたら、物凄い数のスズメがやって来ました。雨が上がったのを喜んでいるようにあっち行ったりこっち行ったり。リーダーでもいるのでしょうか、乱れることなく団体行動をとっていました。夕焼けに映え、見事な舞でした。
スズメの大群の塊が、あたかも一つの生き物のように「素敵な夕焼け」空を「雨が上がったのを喜んでいるようにあっち行ったりこっち行ったり」していたのですね。鳥の種類はともかく、結構見掛ける、すばらしい団体行動です。海でも、特に小魚がこのような集団行動をしますね。その数は鳥の比ではありません。群全体として一つの大きな生き物に見せ掛け、より大きな魚に狙われないように、つまり生存のための行動とされています。鳥の場合は必ずしもそうではないでしょうね。いや、スズメなどはそういう意味もあるのかも。こうした集団行動に特定のリーダーはおらず、お互いの動きにつられて行動しているようです。鳥や魚に限らず、人間だって、例えば大勢が荒野に放り出されれば一所に集まるでしょうね。お作「瞬きをするのも惜しい」は、言われたいことは解りますが、もう少し具体的に表現された方がいいでしょう。
添削(改作):
「瞬く間もただ鮮烈な夕焼けにスズメの大群右往左往す」(民子)