言葉が生命の短歌だから
「新しき色をほどこし粧へば見慣れた顔のやわらかくなる」(恭子)
久しぶりに新しい色の化粧品を買いました。色自体はダーク系ですけど、別の色で初めて化粧をする時は、何時も気分が浮き立ちます。普段の仏頂面も、何となく、微笑んで見えます。
これは鏡に向かって化粧している図ですね。顔が主体ですから髪の毛ではなく、口紅ですね?
(旧仮名):
「新しき色をほどこし粧へば見慣れし顔のやはらかくなる」(恭子)
(新仮名):
「新しい色をほどこし粧えば見慣れた顔がやわらかくなる」(恭子)
何時も添削有難う御座います。今回はアイシャドウとチークでした。口紅を変える時も、気持ちが変りますね。
先生に教えて頂きたいのですが、「えば」と、「へば」の使い方の
違いが判りません。ネットで色々調べたのですが、旧仮名、新仮名
以外でも、両方での使い方があるようです。
私は以前から、混乱を起していました。私自身は、「歌へば」とか
使っていました。
先生の短歌教室の5段活用を拝見すると、この場合は「え」となっていますよね・・・
区別は何なのでしょうか??本当にバカな質問で申し訳ありません。。
「えば」と「へば」の区別、ということではありません。「・・ば」は文語(旧仮名)なら動詞の已然形に付きますね。「粧ふ」(よそほふ)はハ行四段活用の動詞ですので、その已然形は「粧へ」で、それで「粧へば」となるのです。一方、新仮名(口語)なら「・・ば」は仮定形に付き、「粧う」(よそおう)はワ行五段活用の動詞であり、その仮定形は「粧え」なので、「粧えば」となるのです。なお、本添削サイトでは、(短歌の品格を保つためと、言葉の乱れを促進させないよう)一首の内では旧仮名か、新仮名のどちらかに統一することを旨としています。世の中、新仮名と旧仮名が(一首の内で)入り混じった短歌が多いことは承知していますが。これは一種の日本語の乱れだと思っています。言葉が生命の短歌では避けるべきでしょうね。もちろん、旧仮名短歌でも、新仮名を部分的に使うのが自然である場合もあるし、逆もあり得ますね。それは意識的に、ある種の効果を期待したときですが。そういう例外はあっていいとしています。(旧仮名短歌でも、会話部分は口語でもいい、とかですね。)新仮名短歌であっても、旧仮名が慣用されている言葉は旧仮名でいいとか、色々です。(例:「(今は)亡き人」など。)