字数(平仮名表記する時の字数)より音(シラブル)

「朝湿りの歩一歩とゆく散歩径 曲がれば垣根に新しき風」(祥子さん2006/06/24

 今朝は近くの山の中腹まで、霧が降りていました。 その中を、ゆっくり散歩をしていましたが、 みかん畑の垣根を曲がると、新しい、 ひんやりとした風が通っていました。  いつも添削をありがとうございます。 <歩一歩とゆく>ですが、この言葉が、ここで適当なのかどうか 分からないままにお伺いするのですが, これは、<字足らず>の部類に入るのでしょうか。お教え下さい。

初句「朝湿りの」が1音余りですね。第二句「歩一歩とゆく」は1音足らずではありませんが、発音がなめらかではないため7音ではないように感じますね。ここであえて「音」といったのは、それがより正確だからです。余るか足りないかは字数(平仮名表記する時の字数)より音(シラブル)ですね。読んだときの感覚ですので。例えば「一歩一歩と」ですと7音感覚ですね。ここは良いご指摘だと思います。下二句は添え書きとは違った意味に取られるでしょうね。ともかく、垣根に沿って曲がったとたんに(方向が変わるため)それまでなかった風が体を包んだのでしょう、その微妙な感覚を詠われたわけで、やはり日頃短歌のことを考えておられてこそ、ですね。

添削:
「朝湿りにゆったり歩む散歩径垣根曲がれば新しき風」(祥子)