寄り添うて二羽のカラスが嘴(くちばし)を触れ合ふ仕草は人間に似る
夜どほしを鳴きゐし虫の昼までも鳴くこのエネルギーはいかに生(あ)るるや
秋晴れのお彼岸に人ら来る墓地に妻・娘(こ)は草とり吾は卒塔婆を置く
「梵語」とは古代インドの言語にて「サンスクリット」としても親しむ
「紅葉する」を「もみつ」と言った。それゆえに「もみじ」ではなく「もみぢ」と書くね
軽やかでリズミカルな曲が部屋に満ち脳髄の襞(ひだ)をほぐしてしまふ
無から有、生(あ)れざると言へど青空に白雲泌み出(づ)るをいかに言ふべき
餌どきと裏庭の木に集まれる雀ら俄雷雨に大混乱せる
つくづくと吾が思へるは結局は定常宇宙論がビッグバン説に勝る
なぜなのか清少納言は筆名で本名はつひに分らずと言へり