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スマホ機能のありがたきかな路傍なる種々の草花の名を教へ呉る

夜に入れど雲なほしらじらと浮かびをり街の明かりはかくほどにして

裏庭の樹に来てヒヨドリ鳴き始め雀ら唱和す秋晴れの午後

何を病むこの夜の空やいくばくの星さへ見えぬ雲一つなきに

ふらふらと舞ひきて消えし黄蝶あり捜せば葉叢(はむら)の中に潜める

あきらめぬ いかに頑張り努力しても人間の能力以上は叶はぬ

二度咲きの金木犀の花が散る心なき雨がはげしく打ちて

夕づける空に泛かびて三日月の白雲の紗に隠れては見ゆ

さまざまな雲の塊が右往左往 天のお腹は不調とみえて

ゆゑ知らに掛軸の絵がはらりと落つ空海さまが落ちたまふたり

オリオン座のペテリギウスの末期(まつご)論 星さへ死ありまして人はや

定家の日記「明月記」にさへ記さるる‘かに星雲’の超新星爆発

東山植物園に晩秋の陽はふりそそぐグリーン・ハウスにも 妻写す食虫植物に虫の寄り既に捕らへられしものの影見ゆ

東山植物園の一帯は木々の‘もみぢ’が進みつつあり さまざまな植物群がひしめきて温室の中は熱気がこもる

進みつつある月食を撮りながら晩秋の宵の冷えに身震ひ 食(しょく)すすみわづかに残り光る月 おほかたは地球照(ちきうせう)に赤銅色(しゃくどういろ)なり

浮かびては消えてしまひし数々の短歌の断片、生の断片

眼の前にて媚びるがごとく舞ひ踊る演劇とふは悲しき芸なり

遠望する都心のビル群に想起する墓地の光景、塔は卒塔婆

秋の日の舂(うすづ)きしより急速に闇おそひきて鳥たち急ぐ

表層は七割が海なれど‘水球’ならず‘地球’と呼ぶこと故なしとせず

ひたすらにシャッターきりぬ頭上なる電線に番(つが)ひの鵯(ひよ)鳴き交はして

若きころ折にふれ聴きしスメタナの「モルダウ」流れ意識は過去へ

天窓を瞬時によぎりし影のありカラスか鳩か自衛隊機か

“戦争”の定義」で論争する人ら哀れと言はむ呆ると言はむ

911の犠牲者二千余は哀れなりイラク数十万の空爆死者は如何

紅葉(もみぢ)映え人工滝ある公園は鴨あまた遊び妻よろこばす