2021年12月13日 / 最終更新日時 : 2021年12月21日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2021年11月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます。 スマホ機能のありがたきかな路傍なる種々の草花の名を教へ呉る夜に入れど雲なほしらじらと浮かびをり街の明かりはかくほどにして裏庭の樹に来てヒヨドリ鳴き始め雀ら唱和す秋晴れの午後何を病むこの夜の空やいくばくの星さへ見えぬ雲一つなきにふらふらと舞ひきて消えし黄蝶あり捜せば葉叢(はむら)の中に潜めるあきらめぬ いかに頑張り努力しても人間の能力以上は叶はぬ二度咲きの金木犀の花が散る心なき雨がはげしく打ちて夕づける空に泛かびて三日月の白雲の紗に隠れては見ゆ寂聴師九十九歳の生終へらる冥界にても物語りなされさまざまな雲の塊が右往左往 天のお腹は不調とみえてゆゑ知らに掛軸の絵がはらりと落つ空海さまが落ちたまふたりオリオン座のペテリギウスの末期(まつご)論 星さへ死ありまして人はや定家の日記「明月記」にさへ記さるる‘かに星雲’の超新星爆発東山植物園に晩秋の陽はふりそそぐグリーン・ハウスにも 妻写す食虫植物に虫の寄り既に捕らへられしものの影見ゆ東山植物園の一帯は木々の‘もみぢ’が進みつつあり さまざまな植物群がひしめきて温室の中は熱気がこもる進みつつある月食を撮りながら晩秋の宵の冷えに身震ひ 食(しょく)すすみわづかに残り光る月 おほかたは地球照(ちきうせう)に赤銅色(しゃくどういろ)なり浮かびては消えてしまひし数々の短歌の断片、生の断片眼の前にて媚びるがごとく舞ひ踊る演劇とふは悲しき芸なり遠望する都心のビル群に想起する墓地の光景、塔は卒塔婆秋の日の舂(うすづ)きしより急速に闇おそひきて鳥たち急ぐ表層は七割が海なれど‘水球’ならず‘地球’と呼ぶこと故なしとせずひたすらにシャッターきりぬ頭上なる電線に番(つが)ひの鵯(ひよ)鳴き交はして若きころ折にふれ聴きしスメタナの「モルダウ」流れ意識は過去へ天窓を瞬時によぎりし影のありカラスか鳩か自衛隊機か“戦争”の定義」で論争する人ら哀れと言はむ呆ると言はむ911の犠牲者二千余は哀れなりイラク数十万の空爆死者は如何紅葉(もみぢ)映え人工滝ある公園は鴨あまた遊び妻よろこばす