「平らかに稲田拡がりほのぼのと昼の日反(かへ)すことのうれしき」
「稲穂田の区画それぞれ異なれる色にぞ実る逆光浴びて」
「田園に稲穂育てるかぐはしさそれを跨ぎて高速道路」
「風光一変 ここ東海と北陸を結べるハイウェイ竣りて幾年」
「ハイウェイは現代人のなす業(わざ)の底知れなさを見せてのたうつ」
「現代の龍とも見えてハイウェイ視界の限りうねりつつ伸ぶ」
「垂れ初めし稲穂の間(あひ)に水ひかりマネキン案山子が雀を招く」
「休耕の水田(みづた)に白き鷺のゐて雉も鴉も避けゐる感じ」
「数珠玉やら紫露草あふれたる田園の幸に吾妻も浴す」
「金銀に光り輝く実り田を背景として妻を写しぬ」