2022年10月2日 / 最終更新日時 : 2022年10月10日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2022年9月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます 貧困減り寿命は伸ぶれどこの世界悪くなりゆくと人は感ずと「現象」の「象」は「ぞう」にはあらずして「現像」の「ぞう」に近き「形(かたち)」の意味なり仕事上よく知る人の訃報をば会誌にて知りしづかに合掌世界の子供いま二十億人 この数は二千百年まで不変と予測さる台風の余波の風吹く裏庭にちちろちちろとこほろぎ鳴くも君が居て僕が居ることを当たり前と思える今の幸いを思うそよ風にBGMのゆらぐさへ心波立つこともあるなり「昇る時刻みはからひ外へつと出でて唸りつつ照れる名月を撮る」 「撮りたての名月を妻に見せたればに「ほんとにまん丸」と形に感心す」アイルランド生まれの詩人が万葉集を英訳し日本の美質を説ける「月に行きたい?」「ぜ~ん、ぜ~ん。月は地上にありて眺めるものさ」911は悲劇なれどもそのあとの米軍による惨劇も言えすがすがし吾に来る郵便物は激減す。大方は妻と娘へのもの虫とは言へ記憶はたしか毎朝をたがはずここの叢(くさむら)に鳴く患者はつまり‘patient’(ペイシェント)ゆえ須く忍耐強く(patientで)あらねばならぬ尼寺の庭にて昼夜鳴きしきる虫の種類が日々ふえてゆく真夜(まよ)にして習ひのごとく鴉らが不気味な声にて鳴き交はす 何故(なぜ)?「台風はおとなしく過ぎしがそのあとの余燼の風がむしろ暴れて」「台風の余燼の風うけ変化(へんげ)する雲百態を写真に収む」イギリス女王の国葬のこと世界中を賑はしをれどご当人は知らず万葉集は好きだけれど歌謡曲の歌詞もいいよな、たとえば「津軽恋女」名曲はもちろんいいが終ったあと襲う寂しさが何とも言えないこの身なす微粒子群は共鳴す現世を占むる美音雑音にささやかで些末な事にて満たさるる人の心のあはれこれの世脳内に渦巻ける音は飛び去りゆく遠きジェット機の爆音なりきこの身いづれ宇宙そのものに同化せむ分子原子素粒子そして‘無’無際限宇宙に心を遊ばせてふと還るなり箱庭の現世に「たいと」とか「びゃんびゃん麺」とか想像もつかない超超難漢字があるよ