輝きつついづれも星雲の形して白き雲片があまた流るる
騒ぎつつ雀ら遊ぶ安らぎに心を裁ちて短歌を詠むも
木漏れ陽に特別の感情を抱く文化、西洋にはなしとあるアメリカ人
中国の「三国志」にて思へるは曹操と信玄がふしぎに重なる
‘鬱’とふ字は見るだにうつとうしき気分になるこの字を発案せし人に脱帽
部屋内(へやぬち)に数個の時計をめぐらせてそれぞれの遅速を気にする生活
肩おとし歩むサラリーマンにうなかぶすゆらりと高き向日葵おもふ
白き花片散るなべさながら早緑(さみどり)の花のごと若葉の生(あ)るる花水木
「覆ふ」とも「覆へす」とも使ふ「覆」の字に「鞍馬天狗」を想起するわれ
小児科医院廃業ののち間なくしてショベルカー二台にてたちまち更地に