真夜中に豪雨の音にて目が覚めぬ外の地獄は夢の続きか
名人にも師に対しても「呉れる」といふメディアのアナの日本語の乱れ
乱れ書く般若心経よろけ文字、十五行あるを確かめ終る
とうとうと流るる美音に五体しびれ読書はかどらざるを恨まず
偶然にも凹面鏡に映りゐる舞妓さん逆さにて一層はなやぐ
君知るやハワイが爪の伸ぶるほどの速さで日本へ近づきゐるを
晩春の庭木に寄りくる雀、鵯(ひよ)、時には名も知らぬ鳥も交じりて
さまざまなる思念の束の流れゆき気付けば庭に初夏の陽さんさん
ただ一つの受精卵から五体と成る。当然すべての組織が関連し合うね
脳髄は‘われ’そのものなれど存在を知覚し得ざれば最高の神秘