アメリカン・ソングは概して軽けれど <カントリーロード> は哀感ゆたか
悩みなき日々にも電柱のてつぺんにてカラスが鳴けばなにがなし不穏
“心”とは吾が総体にして儚かり霞のごとく吹雪のごとし
脳髄の襞に溢るる感興ありヒヨドリ・カラス叫び合へれば
かすかなる酩酊のうちにまどろみて見し夢の奇瑞を覚めて想ふも
「たいと」とか「びゃんびゃん麺」とか想像もつかない超超難漢字があるよ
無際限宇宙に心を遊ばせてふと還るなり箱庭の現世に
この身いづれ宇宙そのものに同化せむ分子原子素粒子そして‘無’
脳内に渦巻ける音は飛び去りゆく遠きジェット機の爆音なりき
ささやかで些末な事にて満たさるる人の心のあはれこれの世