俊足の‘時’にしばしば追ひつかずカレンダー捲るさへ遅れがちなり
折角の快晴なれどパトカーががんがん濁して走りゆくなり
偉大なり「光速不変則」。これなくばアインシュタイン理論のすべてが瓦解す
うづたかく積める手帳よ吾が過去の詰まりゐるゆゑ哀しげに見ゆ
電子器機が妙なる音楽を聴かせ呉る。薦めし妻に感謝をせねば
とどろきは我が裡にあり空想の神と現実の神とがあらそふ
靴を「履く」と言ひ慣れきたれど「履歴書」の「履」を使ふこと違和感なきや
裏庭にてチチチと吾を呼ぶ雀子ら口笛にて応へ遊ぶもたのし
「學ぶ鳥」が「鷽(うそ)」とはいかに言葉には紛らはしきものあるものなれど
行きゆきて宇宙の果(はて)へとなほ行きて至りしは自(し)が背中なりけり