ああ五月、プランターいづれも花あふれ花壇にも薔薇があまた花咲く
伸びきりし十指の爪を気にしつつけふの平穏無事を嘉(よみ)する
“心”とは吾が総体にして儚かり霞のごとく陽炎(かげろふ)のごとし
(新仮名): ああ五月だ。家じゅうのカレンダーをめくって回り‘時’の不思議な力を感じる
そつぽ向く二つの花が開ききりしアマリリスなり仲良く写しやる
豪放と思ふベートーヴェンに繊細な旋律聴くときの感動やいかに
シューベルトの・・ “未完成交響曲”などと誰(た)が名付けし。これほどの完璧な名曲なきに
さ緑に変はりし花水木の根方占めあまたの紫蘭が色彩を添ふ
脳内につと溢れくる感情ありヒヨドリ一羽「チー」と叫びて
しらじらと輝きゐたる花水木 今さ緑にただよひてあり