やや速く地球儀回せば国境なぞ消えて原始の地球に戻る

唐詩では人生百年と詠む多し「人間五十年」と信長は謡（うた）ひしが

新聞でさえも・・・： 「巡らせて」「応ぜず」は誤で「巡らして」「応じず」が正。誤用が氾濫す

北方より押し寄せてくる寒気団が温（ぬく）き空気と入れ替はりゆく 粛々と寒気が流れ込んてきて黒白の雲が青空に鬩ぐ

どぼどぼと鳩の鳴き声　窓外かテレビの中でかしばし解らず 夜更けにも鳴き交はす鴉らに戸惑へど人には解らぬ悩みあるやも

家に来し雀の鳴き声録りしテープ聞けばをりをり車の音もす 漁る餌乏しき冬なり近隣の雀らこぞりて我が餌皿に来る

宇宙かなたの人工衛星の制御さへ可能な電波が何より不思議

黄蝶ひとつ日向と日陰の間（あはひ）を舞ふ現（うつつ）と幽界をさまよひをらん

夕さりて帰巣する大群のカラスらの影また叫び声不気味に美し 「梧桐」のこと碧梧桐はじめ万葉集、漢詩にしばしば現れ親しき

ことごとく赤き実も落ち花水木は幾多の花芽かかげ越冬す