つれづれに入り来し小さな林にて鳥らのさへづりの多様さにおどろく
どうだろう、誕生の奇蹟度のランキングは。宇宙か地球か生命か人類か
「時」とは何?記憶の闇に想へるはサイコロ振りて出でし「1」のみ
文字なるもの持たざりし古代日本人が隣国から借りて今に至れり
残れるはさまざまな記憶の骨格のみ。有無を言はせぬ「時」の作用よ
思へるは漢字の崩しから平仮名を生みし古人の偉大なること
ある母の言葉に『幼児(おさなご)がとけたように寝てる』と。言い得て絶妙だ
立ち止まり「遠い未来」と聞きたるは「トロイメライ」のことでありたり
自問する彫心鏤骨(ちやうしんるこつ)と言へる仕事あるいは作品は我にありやと
しみじみと <乙女の祈り> を録(と)りゐるに低空を一機が轟音たてて