家前の花水木が落葉を日々いそぐ来む冬の寒さ寂しさひそむ
ケイタイのカメラで追へり黄の蝶のふたつ縺(もつ)れつつ花に纏(まと)はるを
想へるにかつて軋轢ありし人らも皆いまは亡しただ茫茫たり
“We was…”とか“He don’t..,”とかがオーヘンリー短編集に出てきてまごつく
「ついきゅう」にも「追及」「追求」「追究」のほか「追窮」「追給」もあり日本語複雑
久し振りに名古屋・栄を散策して以前にまさる賑はひにまぎる
思ひ立ち相国寺展に妻と来て室町書画の真髄を観き
朝まだき黐(もち)の木の青葉をゆらしつつ春風のやうな秋の風吹く
餌を置き身を隠してのち口笛で合図をすれば雀ら寄りくる
流れ来る親しき曲の名を今にして「パッヘルベルのカノン」と知りぬ