灯火にてコップの水が影つくる。透明といへど存在するあかしに
現代は車社会と言ふなれど小用(せうよう)に自転車はなほ必須なり
「異常気象が常態化してそのうちに四季が夏・冬の二季になるとも」(あおぎり)
地震のない日々かさねきて震度3にあわてる我に妻は「何?」だって
朝風に葉群そよげりその中に激しく躍るひと葉ありけり
人類の夢のエネルギー源たる核融合炉発電の実現を切に祈るも
雀らは巧みに葉陰に隠れゐて餌やればどつと出でくるをかし
静寂へ消え入りさうな曲ながれ無数の人影脳裏をよぎる
空駆くる雲の影迅し東風(こち)ならずなほ冷えしるき北風にのり
不思議なりされどほほゑまし屋根にゐる鳥も空ゆくも二羽づつにして