美しき花飾られゐて撮りたるに直後に「模造花では？」の疑念沸沸

満開でも真に命のかがやくはほんの須臾の間 桜も桃も

玄黄に唯我独尊唱へても常に回帰す悉皆同源に

いやいやをしつつ舞ふあり直線的に流るるもあり桜はなびら 花びらの個々の散りざまさまざまに人らの哀しみの形を具現す

一斉に幾万の星流るるかの幻覚にあり目前（まさか）の落花に

「春になった」と概念的に言ひゐしが花の下歩き春が身に沁む 脳内にスパーク起こるを感じつつ頭痛に悩む人ら思ひぬ

驚きぬノルウエーではＥＶを超えて飛行機の電動化すすむ

三分咲きといへど緑の苔生せる老桜の幹を懇ろに撮る はや散りし白木蓮とやうやくに咲き初めし辛夷をともに愛しむ

純白の雪片といへど逆光に舞へば汚るる灰色に見ゆ

「火星に一番乗りするは中国だろう」と意外なことを専門家言ふ