「杜の宮-市(いち)」に街は賑はふに一すぢ入れば人影なくて
ヒメジオン?ハルジオン?軒下の花を「春だ」と風がささやく
人間は血涙ながすに目より血を発射し護身するトカゲあるとは
穏やかな今の心を喩ふれば満月といふより十三夜の丸さ
家前の花水木散り萌えたてる若葉は緑の花と言ふべく
いづくより湧くのかナメクジ雨の日は小鳥の餌に集(たか)る不気味さ
時として数多(あまた)の想念が錯綜す疑似酩酊といふに等しく
『少年よ大志を抱(いだ)け』とうクラークの名言ものちの改作だそうな
ブルームーン朝の霞に見えざれば空しく雀の声に遊べる
春飾るは木々のみならず地を這うて芝桜のつぎはガザリアが咲く