朝風に葉群そよげりその中に激しく躍るひと葉ありけり
人類の夢のエネルギー源たる核融合炉発電の実現を切に祈るも
雀らは巧みに葉陰に隠れゐて餌やればどつと出でくるをかし
静寂へ消え入りさうな曲ながれ無数の人影脳裏をよぎる
空駆くる雲の影迅し東風(こち)ならずなほ冷えしるき北風にのり
不思議なりされどほほゑまし屋根にゐる鳥も空ゆくも二羽づつにして
たずねられ答へしあとでグーグルにて確かめてゐる妻を憎めず
ドラマなれどその主人公と演じゐる俳優の幸せを祈りつつ観る
道よぎる白猫(はくみやう)を追ひて苦笑ひ空しきことを他人(ひと)も我もす
群馬駈くる映像見つつ想ひをり宮柊二師の「馬の蹄」の短歌(うた)を