使ふあて無くとも命惜しむゆゑ今朝も懐中時計のネジを捲くなり
動物らの仕事は食べて鳴くことのみ 人間のわざも似たやうなもの?
駑馬十駕を信じて励みし学生らされど入試は‘コロナ’に乱さる
早朝より雀らさかんに鳴き合へる餌をたつぷりと食ひしなるべし
ささやかな幸とは例へばセーターにハートの形の毛玉を見たとき
脳機能の基底にも量子的効果ありと量子コンピューターの開発すすむ
開け放つ窓より入る朝風に春とけ込みしやはらかさあり
エネルギーよりエクセルギー消費に励むべしと言ふは易けれど如何にせむとや
言葉は discrete 情動は continuous 両者を繋ぐは imagination
屋上を雀ら走るかすかな音 目覚めつついと愛らしと聞く