同じ日に咲きし2本の花水木 今さ緑と深緑に立つ
晶子の歌「雛罌粟(こくりこ)」に見るごと短歌には「音(おん)」のみならず「字面」も大事
日本語の乱れを言ふが「づ」を「ず」に変へし国語学者らに罪はあらずや
西空に鋭く光りし夕星(ゆふづつ)の見えなくなりてもう一週間たつ
ドア開けて顔つき出せば雀らは庭木の茂みにばらばらと隠る
以前なら雑草として見過ごしし小花いくつも薔薇と同居す
ビル屋上ゆ朱色の帯なし雲の伸ぶ人の悲鳴の残響のごとく
ある作家の短編集読む どの編も過不足のなき短かさよろし
また二本紫陽花の木が枯死したり寿命とは言へ盛時なつかし
昨日の分の万歩計の数字‘12345’ 何か吉事(よごと)のありたるや・・否