空耳（そらみみ）かと思ふがほどの蝉の声 須臾の間なれど吾が鬱を消す

われら好む各種虫の音（ね）も欧米人にはただの雑音　文化の違ひか 欧米人は虫音痴とぞ言ひたるは世界を旅せし文筆家なり 米人が我が家に来しときミンミンゼミ鳴くを”noisy”と言ひき忘れず

「‘辞書’‘辞典’は‘聖典’にあらず」は正論ならむ何ごとも丸呑みにすべきにあらず

ときじくの超新星爆発 もし宇宙に空気満ちをらばいかなる大音響か

眺めゐる壁にゆがむ顔など浮き出でてパレイドリア効果の謎を思へる

夢ならば千里の里も昔日も目前（まさか）に現る これぞタイムスリップ

「鉄」とふ字は「金（かね）を失ふ」の意味持つとて「鐵」とふ旧字をあへて使ふ人

今日の居室は湿度87%だ 100%なら水浸しなんだな

「ぬばたま」とか「うばたま」あるいは「むばたま」が「夜」の枕詞（まくらことば） 万葉集では （「ぬばたま」（射干玉）。「うばたま」、「むばたま」（烏羽玉）。）

大いなる雲の塊が強風に見る見る砕かれちりぢりになる