恋文に「君の影になりたい」と昔は書きぬ今ひとはいかに
梅雨の雲さけて覗ける細き空は人界見守る天の慈眼とも
さまざまな時代と国のドラマは言ふ 人みないつも懸命に生く
素粒子群が宇宙の始まりの原資として素粒子は如何にして生じたるや
過ぎたるは及ばざるならむ 人間の知能もしかり破滅に向かふか
近世に西洋列強が宣教師を派遣せし背景に植民地化の狙ひも
ドラマに観る月はおほかた満月なり映像効果といへど不自然
銀河系とアンドロメダ星雲が衝突か 四十億年先と聞き安堵す
ここちよき梅雨の晴れ間の青空をいつか消えなむ雲ながれゆく
シャープペンに芯こめながら拳銃に弾こむるごとき感覚よぎる