黒さすら混じりて濃(こゆ)き紺碧の空の深処(ふかど)を凝視(みつ)めゐて疲る
「生前」は「死後」に対する語と知ればあへて「死前」と言はぬわけあり
ゆゑ知らず朦朧とせる時の間を振り払はむとして空しさ波なす
なぜだらう: 晴天は一様な青と思ふなかれ真上から地平へとその青薄まる
雲に惹かれデジカメに永く撮りこしがその無限変化に撮りきる能はず
目が前についているのは前見るため 生きる姿勢を示してもいる
唐突に口衝き出づる <夏は来ぬ> 冷えまさりくる初冬の朝に
十二月十四日今日はだれかれの生まれ日か命日かと思ふもあはれ
カラス四羽ビル屋上の縁(へり)に並ぶ 等間隔とるは人のみならず
人体はすべての部分が連携すと。元を辿れば一つの受精卵