新古今集に恋路を人に知らるるを懼るる和歌の多きに驚く
冷ゆる午後国道隔つる向かひ家を押し潰すがに黒き雲塊
午後となり北西の風の強まりて大気が冷気に入れ替はりゆく
君知るや脳は心臓と同様にいくつになりても使へば働く
この宇宙は初め1点で、ビッグバンにて出来しと言ふが点の外は何?
前世(ぜんせい)や死後の世界は存在すと熱弁ふるふ知識人あり
今朝の空は薄雲張りてのつぺらぼういづくにカメラを向けむか悩む
朝焼けにビルの白壁赤く輝りて濃紺の空に火柱(ほばしら)の立つ
かつて気付くことなかりけりビル上方消ぬがに浮かぶ朝の三日月
「死にき」とは言はず「後(おく)れき」と言ひしこと古人(いにしへびと)の奥ゆかしさよ