金メダルの人気番付を見て呆る 金は金なり 人は人なり
朝の陽に輝(て)る隣家(となりや)の吊し柿このひと冬を羨(とも)しみて見む
三冠馬三頭出走のジャパンカップその三頭がトップスリー占む
純白の長楕円形なる雲ならぶ縁ぼやけゐるは消えゆく兆し
‘第九’初演をベートーベンは指揮するも聴衆の歓呼は聞こえざりけり
蒼穹に音のみ立てて航(ゆ)く一機 一万メートルを超ゆる上空か
(新仮名): 花水木の実のみ残った細枝にサーカスをしてカラスら数羽
朝焼けに雲の縁辺赤々と炎(も)えて市街を焼き尽くすかと
般若心経を文字なさぬ文字にて走り書きし目に見えぬものに叱られてをり
いづくより連続高音聞こゆるや そは耳鳴りとながく気付か