階上より見下ろせば白の眩暈なり花水木の花は上向きにひらく
黄砂とか霞で永く見えざりし西山の稜線今日はくきやか
「今春は桜の開花がいと早し京都では千二百年ぶりの早咲きといふ」(あおぎり)
巣作りに使うのだろう細枝を懸命に折り取る鴉よ がんばれ!
‘エイプリルフール’中途半端に普及して責任逃れにも使はれて憂し
晴れ渡ると言へど何となく濁る空 黄砂か霞か眼の衰へか
お地蔵の前に捨ててあるマスク かやうな人もこの世には居る
眼を疑ふ「90連敗達成」に。序の口力士の“偉業”の記事なり
昇る日の斜光を受けて舗道(しきみち)の意外に深きうねり晒さる
舗道(しきみち)に走る亀裂を眼に辿るに遙か交差点まで続きゐるらし