つくづくと春雨が泣く天と地をやはらかく包み春雨が泣く
宇宙の果、そのまた奥の奥の奥に過去の無数の‘命’ひしめく
何鳥? 裏庭の黐の木に色々な鳥が来て奇妙な悲鳴をあげて去るもあり
朝ごとの小散歩にも変化ありてたとへば雀や鴉が減りゆく
思へらく世界のめぼしき島などにはほぼ例外なく先住民ゐき
祠解体でお地蔵さまと眷属が庭に並べられ春雨に濡れゐる
ベランダの雑草がきれいな花咲かせ除草剤撒くを躊躇させたり
身の内に巣くうウイルスよ僕が死ねばお前も死ぬぞあばれるなかれ
春の鳥チチとし鳴けばうれしかり朝の光のかがやく中に
野鳥の声をあざけりと聞くか共鳴と聞くかは自由 今日も快晴