定家の日記「明月記」にさへ記さるる‘かに星雲’の超新星爆発
オリオン座のペテリギウスの末期(まつご)論 星さへ死ありまして人はや
ゆゑ知らに掛軸の絵がはらりと落つ空海さまが落ちたまふたり
さまざまな雲の塊が右往左往 天のお腹は不調とみえて
寂聴師九十九歳の生終へらる冥界にても物語りなされ
夕づける空に泛かびて三日月の白雲の紗に隠れては見ゆ
二度咲きの金木犀の花が散る心なき雨がはげしく打ちて
あきらめぬ いかに頑張り努力しても人間の能力以上は叶はぬ
ふらふらと舞ひきて消えし黄蝶あり捜せば葉叢(はむら)の中に潜める
何を病むこの夜の空やいくばくの星さへ見えぬ雲一つなきに