小児科医院廃業ののち間なくしてショベルカー二台にてたちまち更地に
雀にやる細かな餌を野鳩二羽ねらひて来るなりあはれとも思ふ
過ぎ来(こ)しの記憶を辿り或る人は涙にむせび或るは笑ふか
鴻毛は軽さの極み、鴻恩は大いなる恩、‘鴻’はいづくに
われわれは樹木は長寿と思へるにソメイヨシノは数十年、人より短命
次百(つくも)とは次も満点を、との心 短歌(うた)においては容易ならざり
今の世になほ攪乱のあらばあれこの身しづかに清浄に保たむ
西空に横縞を成すすぢ雲のいづれも輝く斜陽をあびて
この無明の世界を嘆けど光明か脳髄の中を蛍とび交ふ
花水木の花は上向きに開くゆゑ写真は屋上から撮るがよろしも