酩酊の浅ければなほ去来するさまざまな思念の交錯の影
いかさまに地表の乱るるは常なるを‘時’の勤勉は止(とど)まることなし
“仏説摩訶般若波羅心経”をあますなく‘みそひともじ’にて刻みつけむか
いちにんの命救はむと懸命なる一方万超す命が易々と奪はる
地球割るる夢みて思へり人界のいがみ合ひあまりに些末ならずや
無から有、生(あ)れざると言へど青空に白雲泌み出(づ)るをいかに言ふべき
最高の奇跡は宇宙の創生にて生命(いのち)の生(あ)れしは些事に過ぎぬか
心奥に深き悲しみ秘め込めて神は‘生命’を創り賜ひしや
生きて死に死にて生まるる生命の果てなく続く連鎖を嘉(よみ)す
意識の奥、そのまた奥の奥の奥、鈍く青白き命の影あり